麻生泰のメッセージ

九州から日本を動かす! Let’s move Japan forward from 九州! (15)
  • 著作紹介
  • バックナンバー
  • PDFファイル
 タイ人の友人に、このNATO ― No Action Talk Only ― と皮肉られたのは、もう20年以上も前のことです。彼がそう私に教えてくれたのですから、それ以前からタイ人だけでなく諸外国の人たちは、日本人ビジネスマンの特徴をそのように皮肉を込めて表現していたのでしょう。日本人と打ち合わせをすると、その場で納得させてもそこでは決定出来なくて、「本社の上司にお伺いを立てなくては決まらない」そう言われて東京に出かけてその上司を納得させても、その場で商談がまとまらず最終決定まで時間がかかるという体験談から、日本とビジネスをする外国人たちが使っている言葉のようです。

 特に大企業の判断や決断の遅さ、スピード感の無さから由来しているのでしょう。日本の大企業にはどうしても多くの決定プロセスがあり、それを一つ一つクリアしいかなければ動かせません。反面、いったんゴーサインが出るとかなりダイナミックに動き出します。
 他方、韓国はオーナー系企業が多いということもあり、判断がスピーディです。このため、特に第三国で日韓共同プロジェクトを展開するときには、両国の企業文化の差が際立ちます。日韓それぞれが自他ともに認める魅力や強みとして、韓国企業はスピード力や馬力、あるいはグローバル対応力が挙げられる一方で、日本企業は主に技術力や資金力、ブランド力が挙げられることからも、日本企業を表現する“NATO”という言葉は諸外国に広く認知されているようです。

 私も、『煮詰まる日本の市場』という表現を必要以上に使っているのですが、少子高齢化が進むにつれ食物の消費量、そして購買力は落ちざるを得ないということは明らかです。にもかかわらず、国内だけでの販売競争を行い、安売りでシェアを落とさないようにしていく市場の動きは続いています。
 また、大根や養殖魚が取れ過ぎたために供給過剰となって販売価格がさらに下落しないように、ブルドーザーで押しつぶしている写真が今年も出ていました。勿体ない話です。アジアに持っていけば買いたい人がいるのにとつくづく思います。国内市場だけを相手にせず、日本品を買いたがっている伸びゆくアジア諸国の人々に是非輸出をして貰いたいです。販売力・販売ルート確保が重要なポイントであります。

 NATO体質の根本にあるのは、やはり危機感が不足している、競争意欲が乏しい、やってみようという気迫の無さです。『こういう事例がありますよ。九州方式を見て下さい。』という動きを見せ、私はこれからも九経連のリーダーとして実績を出していきます。

 この安心で素晴らしい国にいると、少しくらい経済成長が無くてもこの国の中に残って安全で美味しい物を食べて・・・という気持ちになってしまうでしょう。私たち世代はそれで逃げ切れるかもしれませんが,次世代は確実に煮詰まってしまいます。しっかりと伸びゆく市場への挑戦を、まだ日本のブランド力が存在している今のうちに確立させていくように動き、実績を出すことが大事な現役リーダーの務めであり、大事な機会であり、責任だと思います。

2016.08.22

麻生 泰