麻生泰のメッセージ

九州から日本を動かす! Let’s move Japan forward from 九州! (11)
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 九州経済連合会は半世紀以上前に設立され、初代から九州電力の社長、会長経験者が会長職を務めてこられました。原子力発電の問題が起こったことと、前任の松尾会長がこのポストは九電だけのポストではないという思いを持たれていたことで、私に声がかかったのは一つの巡り合わせです。
 松尾会長が当社を来訪されるという連絡が入り、前日にいろいろ想像してみました。わざわざ来られるというのは恐らく依頼ごとであり、多分、九経連関連のポストの件であろう。そうであれば、これも一つの巡り合わせであり、自分に与えられた機会であると考え、地域や国家に役立っていくためにお受けしようと、心を決めていました。

 私は九州の為に役立ちたいという想いを強く持っています。上品な表現ではありませんが、“飯塚をなめるなよ”という気持ちを強く持ち、炭鉱町からでも魅力ある街づくりは出来るのだという実績を出さなくてはという気持ちを持っています。
 昭和40年代の前半に、ほぼ全ての炭鉱(山)は閉山し、中央の大手企業は石炭の出ない筑豊から撤退していきました。父や兄は地元企業として、資産売却などで閉山資金をやり繰りするなど事業清算に取組みながらも引き続き飯塚に本社を置き、セメント事業や病院経営をして、いわゆる黒(石炭)から白(セメント)への転換で生き残りを図り、事業を継続するためにリスクを取りながら大きな投資をしていきました。国内外を問わず、石炭産出地で閉山に追い込まれた都市は今や昔の勢いはなく、縮小、弱体の流れとなっているのが現状です。

 私は飯塚を良くしていくには、教育、医療、治安の三本がまず軌道に乗ることだと考えました。幸い、医療は飯塚病院が中核で頑張ることで出来ます。治安も昔に比べれば一段と改善されました。重要な教育問題も教育長の強いリードで大きな改善を見せています。学力テストでも福岡県の平均値を最近一気に上回る成績が出て、更に伸びていくだろうと期待を持っています。
 また、街の活性化には雇用の創出が重要です。これも仕掛けをしていきたいと思っています。幸い飯塚市は、大きく伸びている福岡市との交通手段もかなり便利になってきました。教育、医療、治安の三本柱が揃うことで、人口もあまり減ることはなく、むしろ、市の中心部は増えるのではないかとひそかに期待しています。

 飯塚市を地方創生の一つのモデルケースにしていきたいものです。政府がリードする地方創生プランは政府の期待でありますし、願いだとも思います。何故みんな大都市に住みたいのか、もっと自然が身近で通勤も楽で、コストも安く、家族も友達も多い地方都市に残ることで活性化していって欲しいと思います。
 九経連の会長として、私の地元の飯塚市を一つの実績モデルとして、各地方に“尖がりを持った”魅力づくりをお願いしていきます。
 10年近く前の嘉穂劇場の浸水時には、予想以上に多額の義援金が全国から集まりました。飯塚高校が甲子園に出場した時は、同じ年に甲子園出場を果たした慶応高校並みに寄付金が集まっています。郷土愛は飯塚を離れている人たちも強く持っていて、郷里の発展を願い、祈っています。九州内で良き地方都市が増えることは日本の創生にも繋がります。

2016.06.21

麻生 泰