麻生泰のメッセージ

九州から日本を動かす! Let's move Japan forward from 九州! (26)
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 年度末を迎え、今年度に目標とした数字、実績を見直す時が来ています。
 我々九州人は多くの恵みを受けています。まずは、日本に住んでいるということです。この2017年に日本に住んでいるということだけで、実に多くの恵みを享受しています。他の国ではとても考えられない平和や治安の良さ、公共交通機関の安全性と正確さ、街の清潔さ、食べ物の美味しさ、そして人の親切さが日本にはあります。在留の外国人が本当に羨望する財産です。これらは、現役日本人に与えられている多くの、そして大きな恵みの数々です。

 その中でも、日本の西の玄関口に位置する九州は伸びゆくアジアと隣接していることが大きな強みとなっています。そして、北国にはない温暖な気候と明るく社交的な気質も九州独自の魅力です。インバウンドは毎年30%くらいの伸びを示し、大きな事件や災害が起こらない限り、この勢いはまだ始まったばかりなので大きな収入源、多くの日本ファンづくりに繋がっていくでしょう。
 これは九州にとっての大きなビジネスチャンスです。日本ならではの、安心で安全な民泊をしてみよう、未知の場所にも出かけてみようという動機づくりは、過去の先輩たちが築いてくれた財産のおかげであり、現役世代にとってはまたとない活用の機会です。

 新年度、あるいはこれからの3年先を経済団体として考えると、東京のコピーをしているだけでなく、オリジナルを持たなくてはという意見も強まっています。新年度に向けて、九州独自の尖がりや強みをどこで出せるか?立地条件や潜在能力、あるいは九州の特徴や現状の課題、また将来伸びが予想される技術分野等を総合して考察しています。
 この「九州から日本を動かす」というテーマからすると、まず九州でモデルを作り、日本全体で実行していくという流れを作ることが重要な役割となります。道州制の動きはその流れの一つだと思っています。煮詰まる日本の人口と少子高齢化、国民総生産の2倍の債務を持つ国であるといった現実問題に対応するには、ヘッドクォーターを縮小する、すなわち本社機能を縮小、削減していくということがビジネスだけに限らない常套手段だと思います。これには多くのテーマや難題があります。もう少し時間がかかるのかもしれません。

 九州独自の尖がりづくりのひとつとして、農業、水産業、林業の第一次産業従事者の手取り額を倍増させたいと思います。収入増、コストダウン、大型化、機械化など国もその方向でリードしていく中で、まず九州が成功事例を作り先導者になります。また、次世代の若者たちが家業や地方に戻りたいと思える魅力を多くの分野の現役世代が応援して改革を進め、地方創生のモデルを作る。これらは九州にとって大きな役割であり、九州の強みが活用できると思います。

 高齢化社会の中で、高齢になっても社会参加をしていく生活スタイルがごく当たり前の環境を作ることも九州の強みを使えば可能だと考えます。平均寿命に加え健康寿命を伸ばし、70代、80代になっても週に何回かは外に行く仕事がある。仕事があることで高齢者も元気で学習もするし、引きこもらずに近所とも仲良く付きあうことで、認知症にもならずに明るく暮らせます。
 日本は高齢化社会の先進国です。その先進地である九州の地方都市は、この分野で世界のリーダーとして健康寿命を伸ばし、医療費もそう高くないという実績を目指していきます。

 ツーリズムにおいては、外国人旅行者の一人あたりの消費額をもっと引き上げるために魅力を高めていくことが大切です。旅行者一人あたりの平均消費額が10万円位というのは、まだまだ低くじゅうぶんに伸びしろが残っていることを示しています。サービス力の向上、強みである九州の奥座敷の魅力の向上と、それを海外にアピールする広報の強化が欠かせません。
 九州には現在約400万人の外国人観光客が訪れています。一人当たりの平均消費額があと5万円でも増加すれば、1年間で2,000億円の増収となります。外国人に対応したメニューの作成やWi-Fiの整備、旅行業関係者の意欲向上や創意工夫、若返りなどが課題解決のポイントかと思われます。

 こうしたテーマが九州独自の尖がりをつくり、国内の他の地域よりも抜きんでる九州経済の与えられている可能性とやりがいの大きさだと考え、これから何回か思いを整理して書いてみます。

2017.02.24

麻生 泰