病院の働き方改革は、こう進める−
日本の公的病院は、毎年7000億円もの税金が赤字補填のために投入されている。本書は、その歪んだ現実を改善に向かって動かすための実践の書。ナースステーションに看護師がいない、ものづくり現場の生産ラインの発想を活かした患者本位のセル看護システムの導入によって、従業員満足度、患者満足度が向上できる。それは、医療現場で働く人びとの幸せであると同時に、医療事故や病院内のストレスを減らし、コストの削減にもつながる。
- はじめに
I 数字が表すカイゼンの力
II 飯塚発のセル看護提供方式
III カイゼン型病院経営が明日の医療を拓く
IV 公立病院で実施したカイゼン事例
V カイゼンへの動きが生まれた背景
VI TQM活動の四つの事例
VII CHC(Conference for Health Care)の動き
終章 今後の病院経営の諸課題
- おわりに−岳父武見太郎の存在

セル看護が医療現場を救う
患者本位のカイゼン型経営
- 編著:麻生泰
- 発行:日本経済新聞出版社
- 価格:2,000円+税
- 体裁:四六判・並製/240ページ
- ISBN:978-4-532-32241-0
これからの日本医療に重要なのは、病院スタッフが内面に秘めている奉仕の精神や医療への情熱を活かし、患者満足度の向上、医療リスクの低減、サービスの向上など、現場が直面する問題点に積極的に向き合っていく姿勢です。経営と現場が問題意識を共有することで明るい職場は実現され、医療の質向上への意識が高まれば、素晴らしい結果が生まれてきます。(本文より抜粋)
I 課題先進国・日本が世界の医療をリードする
- 1 人類の夢を実現した日本の国民皆保険
- 2 医療分野での日本のリーダーシップ
- 3 病院がこれから直面していく現実
- 4 経済成長なしに社会福祉は実現できない
- 5 危機の克服と経済成長は表裏の関係
- 6 人類の課題はボーダレス そこに使命と機会が
II 病院経営は日本の強みが生かせる産業
- 1 病院スタッフが変わった飯塚病院
- 2 七つの改善事例
- 3 明るい職場づくりが重要
- 4 医療現場の重要性とその育成
- 5 看護師の大切さとその育成
- 6 アメリカでも進むカイゼン
III 経営力の時代
- 1 民間と国公立のマネジメントの現実
- 2 経営改善への挑戦
- 3 事業経営と病院経営の違い
- 4 人づくりが経営の基本
IV 地域から世界へ
- 1 地域から日本の医療を見直す
- 2 都市と地方のまごころ格差
- 3 理想的な健康長寿の街づくり
- 4 日本の地域医療を世界のスタンダードに
- 5 いま、地方創世の秋

- 編著:麻生泰
- 発行:日本経済新聞出版社
- 価格:2,000円+税
- 体裁:四六判・並製/256ページ
- ISBN:978-4-532-31995-3
30年前、オンボロ病院番付の西の横綱といわれ、わずか47人の医師で1100床を運営していた病院が、どのように改善を進めてきたのか、そしてまごころと志を持った若者が思いっきりその力を伸ばせる職場とはどのようなものか、現場で働く7名の看護師にも執筆をお願いし、“医療崩壊”におびえる日本社会に投げかけたものが本書である。(「まえがき」より)
第一章 “病院危機”といわれるなかで
- 1 私が感じる病院経営の先行き
- 2 明るい職場作り
- 3 病院周辺のSWOT分析
第二章 飯塚病院看護部の挑戦
- 1 変革への挑戦―看護部が変わった!
- 2 救急・救命への挑戦
- 3 クリニカルパスへの挑戦
- 4 支えあう職場作りへの挑戦
- 5 呼吸器訓練コース構築への挑戦
- 6 ISOの考え方の導入への挑戦
- 7 魅力ある看護職への挑戦―井部俊子氏を囲んで
第三章 明るい職場作り
- 1 ノウハウよりノウフウ
- 2 医療現場の国際化と女性が働きやすい職場環境
- 3 企業経営を背景とした文化
- 4 次世代への希望と夢

- 編著:麻生泰
- 発行:日本経済新聞出版社
- 価格:1,600円+税
- 体裁:四六版・並製/216ページ
- ISBN:978-4-532-31451-4
この本は日本の医療改革が始まろうとするなか、民間病院の現場からの報告やヒントを著すことで、今後の医療政策に役立ててもらいたいという願いから書きました。
全国の病院経営者や医療スタッフの方々に読んでもらい、「よし!自分の病院でもやってみよう」という動きになることを心から期待します。(「はじめに」より)
第一章 飯塚病院のルーツを探る
- 地域社会への貢献
- 中央病棟の建設
- 救急救命センターへの挑戦
- 地域貢献から日本再生へ
第二章 病院経営とはどのようなビジネスか
- これほど可能性のある産業はない
- これほどやりがいのあるビジネスはない
- 民間経営が日本の医療を救う
- 病院格差はこれからへ
第三章 今日からできる病院改革
- ミッション、ビジョン、目標数値
- 月次会議が変わる
- 院長のリーダーシップ
- 医師専門委員会設置から流れが変わった
- 何が飯塚病院の差別化なのか、強みなのか
- 共同購入は重要な突破口
- 請求漏れと減点は減らせる
- 外注化は病院の個性にあわせて
- 病院は固定費事業
- 人作り、人材こそすべて
第四章 改革はリーダー次第
- リーダーの役割とは
- VHJのアンケートから
第五章 日本の病院を進化させていく
- 大学医学部の使命
- 公的医療機関の使命

- 著者:麻生泰
- 発行:日本経済新聞出版社
- 価格:1,500円+税
- 体裁:四六版・並製/256ページ
- ISBN:978-4-532-35243-1