麻生泰のメッセージ

九州から日本を動かす! Move Japan forward from 九州! (71)
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 私が実践して役に立てると思うのは、病院の経営側にマネジメントや改善文化の導入が必要であることを真剣に知ってもらい、全国の病院がマネジメント力向上によるCS、ES、そしてオーナーたる者のOSが実現可能であることを伝えていくことです。日本人特有の現状を改善することへの強い思いや実行力は素晴らしいものがあります。公的な機関も多い病院経営に対しては国から多額の補助金が投入されています。飯塚病院も救急救命センターの運営や研修医の教育などで毎年4,800万円の補助金を受け取っています。飯塚病院は1,000床、医療スタッフは約2,300人を抱えていますが黒字です。一方ある都立病院では、その半分以下の病床数にも関わらず、毎年数十億の補助金を受けているという現実があります。
 私は、出版物を通して、「こうすることで無駄が削減できますよ」と飯塚病院における多くの改善活動事例を発信しています。職員の満足度も高く、離職率も低い。働き方改革にもつながります。
 トヨタを代表とする製造業の競争力をここまで高めてきた、従業員の工夫と努力で実現している改善活動という日本の強みを、労働集約型の病院事業でも活用していくべきです。公的病院では活用されず死蔵されている改善文化をもっと日々の運営で取り入れることで、毎年総額7,000億円以上が投入されている公的病院への補助金流出を大幅に削減できます。改善運動を院内で活用出来れば、4年くらいでこの2割から3割は削減可能だと思います。
 赤字額削減が出来るのと同時に、従業員満足度が向上し離職率も低減され、その結果、職場が明るくなることで医療事故も減り、働き方改革にも成果が出るはずです。
 従業員の経営参加や活動の浸透によって、日本の製造業が世界市場を一時は制覇したことの要因であるこの改善文化を、多種の国家資格者で構成され人命に直結する病院事業に導入することで、無駄がなくなり、患者の待ち時間も大幅に短縮され、リスクが削減され、多くの従業員の労働負担の軽減に繋がります。危機に瀕している日本の財政再建のひとつとして役に立つノウハウです。

 広島県立病院や熊本済生会病院ではではこの活動による成果を出しています。こうした実績が、周辺の自治体立病院などの公的医療機関で研究されていくのが良いと思います。

2019.02.08

麻生 泰