麻生泰のメッセージ

九州から日本を動かす! Move Japan forward from 九州! (89)
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 飯塚病院の最近の経営改善事例の一つとして、「セル看護提供方式」というものがあります。病院には、各病棟にナースステーションというものがあることをご存知だと思います。多くの医療器具やパソコンがあり、そのフロアの全病室を担当する看護師が入院患者のデータ入力作業などの仕事を行う場所です。
 さて、セル看護に切り替えたことでどういう改善が実現できたか。
.福璽好魁璽襪激減して6分の1になりました。セル看護では、看護師はナースステーションではなくて病室の中か近くの廊下にいるので呼ぶ必要がないのです。かつ、患者の状態を良く知っているいつもの看護師が近くにいてくれます。
看護師の1日の歩く距離が約6キロから3キロへ半減しました。
5宅時間が18時過ぎから17時半過ぎに、約30分早まりました。
 このセル看護という方式では、病室ごとに担当看護師が決まっていて、今までナースステーションで行っていたデータ入力作業を担当患者の病室内や廊下で行います。パソコンや医療器材などを「セル」という小さなキャスター付きの台に積んで、それを転がして患者の近くで仕事をしているのです。そして時々ナースステーションに戻ります。
 セル看護の良い点は、担当の看護師が患者のすぐ近くにいるので目が届き、患者の要望や体調変化に素早く対応できるという所です。そのフロアの看護師全員が全患者のコールに対応していた時は、ナースコールが鳴っても担当の看護師がいない場合、患者の状態や性格を知らない看護師が対応することもありましたが、セル看護では患者のことをよく知っている看護師が担当するので、問題や患者のストレスが少ない。患者にとってこの方式はどうかと看護師達は皆気にしていましたが、導入後の患者へのアンケートの結果、「セル方式の方がありがたい」という回答が70%以上と多数あったことで自信がつき、現在では飯塚病院内の全病棟でこの方式を取り入れています。いろいろな広報誌で取り上げられたこともあり、この「セル看護提供方式」の見学者は多いです。
 患者も看護師もうれしい変化と認め合っています。看護師の帰宅時間も30分早まったということで、もっと全国の病院にこの方式が広がっていくのではないでしょうか。看護師の離職率の削減にもつながってほしいです。

2019.11.05

麻生 泰