麻生泰のメッセージ

九州から日本を動かす!
Move Japan forward from 九州!
(169)公的病院の経営改善への動き
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 公的病院の改革の動きを作る努力をここ数年続けています。飯塚病院の経営改善のケースは全国的に知られるようになりました。飯塚病院は40年前には「オンボロ病院の西の横綱」という表現をされていたのですが、今は変わりました。トヨタやソニーが実行し成果を出し、ジャパンアズナンバーワンと言われた品質管理、コスト削減、競争力向上は、日本人が持つカイゼン文化を経営へ導入したものです。日本人が持つ、チームの為、目標達成に向けての協力体制文化がその背骨にあるのだと思います。
 その文化を労働集約型事業の病院で活用していくことで改善による患者、病院スタッフ、そして経営者の全関係者の満足度を向上させることは達成不可能ではないと思います。
 これまで、県知事やお役所のリーダー方にこうした思いを伝える機会を数か所でいただきました。プレゼンをして「是非、公的病院の改善を!」と求めても、まだ知事自ら動きを出し始めた事例は少ないので、私は日本国の先行きを非常に心配しています。
 国の財政がひっ迫する中でこれからは防衛費、少子化対応策、経済発展、CO2対策等新たな支出先が存在しています。国の債務残高が1,000兆円を超しているという現実は、赤ちゃんも含めた国民一人当たり1,000万円の借金を背負っていることになります。この国には収入増対策とコスト削減策による成果が強く求められる中で、公的病院へ投じられている毎年約1兆円の削減は大きな財源だと思い、私は動いています。

 公的病院が動き、成果を出す兆しはまだ見えません。経営改善をするプランは有りますが、誰がこれを実行するのだという責任者が不明瞭です。そして数字目標が入っていない精神論か、数字目標を入れていても早くも翌年には大きく下回る実績が出ているという実態。企業が必ず使う、KPI(key performance indicator)を入れ、何年までに、何パーセント、何億円を、といった数値目標が無いプランばかりのようです。公的病院への改善文化導入はなかなか難しいテーマですが、病院には医療スタッフ、そして事務系にも多くの優秀でテーマに対して傾向と対策を考える人材が居ますので、ちょっとしたヒントや応援の声掛け、上司からのお褒めが改善活動開始に繋がります。ある動きが評価され、注目されると、院内に参加の輪が広がるというケースが複数の病院で発生しています。是非、こうして明るい職場づくりをしていきましょう。

 これだけ日本の債務が大きい中で、これだけコスト削減材料がある中で、動かすことが出来ない公的病院の経営改善。私たちにできることは、次世代に対してのお詫びを言う前にもっと動くことです。私は自分の病院の医療の質と経営の安定をこれからも実現させ、地元の魅力、競争力強化に力を入れます。それと同時にライフワークの一つとしての公的病院の経営改善への動きをこれからも続けます。

2023.02.27

麻生 泰