麻生泰のメッセージ

九州から日本を動かす!
Move Japan forward from 九州!
(187)国際競争力強化の道のり
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2023年11月29日


九州から日本を動かす! Move Japan forward from 九州! (187)

187 国際競争力強化の道のり 

前号に引き続き、九州農水産物直販株式会社の実績を紹介しながら、農業の可能性そして高い評価の報告をお話します。
およそ10年前に九州全体の農協を取りまとめていた、宮崎県の羽田正治会長と九州の農水産物の販売市場を広げて行こうという思いや夢をもって香港に出かけました。当時から日本の農水産物の高い評価は耳にしていたので、何とか足場を作りたいという思いでした。
さすが商売上手な中国人で、「安定して供給できるのか?」「季節間のアップダウンは困るぞ」など、さまざまなリクエストを提示され、スムースなスタートは切れませんでした。羽田会長は「麻生さんに恥をかかせたな、オール九州でかかろう」と言われ、九州全県の農協のリーダー方が参加して再訪問されました。私も、香港の友人でこの分野を広く展開している、デーリーファーム社のオーナーに連絡を入れ、協力を依頼し、ようやく取引が始まったのです。
 スタートしてからは販売担当者の努力とその動きへの評価が功を奏し、今や年間で20億円程の順調な販売高になっています。九州のイチゴ人気のほか、多くの高級果物や野菜が販売されています。さらに東北経済連合会ともタイアップして青森産のリンゴもルートに乗せています。
 何が嬉しいと言って、先日のテレビ会議で、顧客である先方の窓口責任者が売り手である私たちに対して「とにかく九州農水産物直販の品物は凄く良い、お客様が非常に喜んでいる」と言ってくれたことです。買い手側が売り手にそんなことを言うでしょうか?叩いて買うのが買い手の常套手段というよりもマナーというか常識なのに! という印象でしたが、そのテレビ会議でさらなる自信を持ちましたし、正直なバイヤーだなと喜ばしく思いました。

 この九州農水産物直販(株)の出資会社も設立当初から、宮崎県農協以外に西部ガス、九電工、JR九州、(2023年4月〜 九州電力)、麻生などの企業が出資者に入ってくれたのです。各社ともに、“九州から新しい流れを作って日本を動かそう!” という心意気からです。九州の心意気というか協力体制は本当に素晴らしいものだと思います。

 今後も農家の収入をもっともっと増やすことが大切です。野菜、果物、牛肉、鶏肉、豚肉すべての日本産食材の人気は非常に高いのです。さらに売る力を付けていきましょう。そのためにも大手商社が参入してくることで、このボリュームが一気に向上し一段と魅力を持った事業になるのです。是非ともこうした参入が始まらないものかと期待しつつ、九州農水産物直販の販売実績を伸ばし続けていきたいと思います。政府は現在年間1兆円の輸出額目標を2030年には5兆円にしていく*と発表していますが、さて如何にしたら実現するのか?現状のままではとても期待できない状況と思われます。一方で、日本の農水産物は高い実績や評価があります。それだけに輸出の流れが始まると面白いことになるのだが、と思いを巡らせつつ、九州から新しい流れを農家の方々と頑張って成果を出していきたいものです。

*農林水産省『5兆円目標に向けた更なる取組の強化について』令和4年12月5日

2023.11.29

麻生 泰