麻生泰のメッセージ

九州から日本を動かす!
Move Japan forward from 九州!
麻生泰のメッセージ「九州から日本を動かす! Move Japan forward from 九州!(206)」
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  「日本百賢アジア研究院サマーキャンプ」参加して (2)

 前号に続き「日本百賢アジア研究院サマーキャンプ」について書きます。

 日本人の中高年の参加者は早慶の教授経験者やビジネスマンですが、このサマーキャンプの成果を大いに評価していました。「日本百賢アジア研究院」での10年間の経験、実績は非常に高いものがあります。

 ビジネスマンの方と日本経済のジリ貧現状について上海の場で語ったのですが、現状からの打破を若者に託すのではなく、私たち中高年が頑張って動き、動かさなくてはという思いを共有しました。その方が言われるには景気の良さを体験したことのない若者にそれを期待するのは間違いだ、可哀そうであると。全くそうだと思いました。中高年の私達は総評論家の如く、分析、批判ばかりを口にしている人が多いというか、ほぼ皆がそうなのです。自分はどういう変革の動きを起こしているか、動き、動かしているかをテーマにして日本を変えていかなくては…。口ばかりの人が多過ぎるのです。

 岸田首相の後任者が、この危機感不足の政府やお役所の雰囲気の中で、どういう使命感、ビジョンあるいはアクションプランのもとに思い切った動きをされるのかは分かりません。上海での道路の発展性のスケールとスピードを知り、共産主義、独裁者的なリード方法が羨ましくなるほど、中国のマネージメントやスピードに迫力と魅力を感じます。

 日本での理想の流れは、民主主義の中で危機感を持ち将来像を示し、協力者も火の粉を被りながらも地方都市からでも改革、改善の実績を出してくるリーダーが生まれる。その動きを少しずつ見習って次の動きと成果が出始める。それをマスコミが上手に持ち上げ、野党の人たちもこの重要性に気付き、徐々に改革への動きが始まっていく、というのが理想ですが、さて? 時間は余り有りません。あと5年もこのままでいると、日本の評価はさらに下がり、「日本は凄い国だったのにね」或いは「日本は昔すごかったよね」という過去形の評価の国になってしまい、両親たちの昭和20年代から50年代位までの週6日間の活動の栄光は永遠に戻らないものになるのかもしれません。

 この発展著しかった中国、上海も経済が大きく停滞し、政治的脅威から日本の大手産業の中国からの撤退方針も始まり、不動産のみならず小売業でもかなりのダメージを受けているようです。隣の国である中国との交流は非常に大事です。若者がこうしたサマーキャンプを通じて隣国との交流強化や将来の協力への道も作っているのです。私たち現役人もしっかりと天から見ている両親の努力に感謝して、汗をかき、ストレスを乗り越え、まずは使命感を持ってビジョンを明らかにし、情熱を持って、動き、動かしていかねばならないと思います。

2024.09.13

麻生 泰