麻生グループ
「麻生泰のメッセージ」を更新しました
DX時代にアナログ文化の強みを活かす (1)
経済停滞が続く中で、デジタル化の対応能力差が大きな課題と言われています。確かに、DX機能を上手に操る人の生産性は非常に高く、時間の短縮、人材の削減、ペーパーレスという資源の削減を実現していることは周知のとおりです。何といってもこの分野の技術はドンドン向上していくので “置いてきぼり”にされるのは目に見えていると思いながらも、一歩二歩、三歩と遅れを取っている自分が居ます。
当然ながらデジタル対応は必須ですが、私はアナログの活用、アナログならではの強みも非常に大切だと思います。企業競争力に於いて、団結力、モラルの高さ、思いやりの強さ、マナーの良さなどのアナログというのか文化度の高さは日本の貴重な競争力であり、欧米ましてやアジア諸国では全く真似できない文化的財産だと思います。この文化によって従業員満足度向上につながる可能性が大いにあり、良きスタッフの確保と定着、そしてチームとしての生産性、サービスの向上に繋がり、企業収益の向上、安定をもたらしていくと思います。
利他の精神というか相手を思いやる心、その文化を持った企業の強みが大きな力や利益を生み出しているのです。
飯塚国際車いすテニス大会は40年を超えて、地元の重要なイベントとして継続しています。国立の総合せき損センターが飯塚市内にあり、このテニス大会は、脊髄損傷を発症した患者のリハビリ目的で始まったのですが、この大会が長い期間継続している一つにアナログ面での強さとして障害者スポーツに対してのボランティアーの多さです。2,000人を超える人たちが毎年この大会をサポートしてくれるのです。
また、教育事業でも東京からの教育ビジネスの企業が飯塚に進出してきましたが、何に驚かれるかというと、地元の主婦を中心にしたボランティアーの人たちの支援体制の熱意と参加者の多さです。
考えてみると、日本では女性が夜一人で歩いても怖い目に遭わない、子供の誘拐事件は滅多に起こらない、アメリカのように学校でのピストル乱射事件は全くない、麻薬に関しても事件は諸外国に比べ非常に少ない、こうした先進国は日本だけだと思います。
常識、モラルのレベルが日本にいるとこれが当たり前と思っていますが、欧米人から見ると素晴らしい財産、常識だと思います。
こうした日本では、当たり前文化が職場の改善活動に繋がっています。私は、勿体ない、もっと思いやりを、といった日本人が生まれ持った本能を病院改善に活かして欲しいという思いを、公立、公的病院に対して強く持っています。国庫財政が非常に厳しい中で毎年1兆円近くの補助金が投入されているのです。今の流れではこの補助金額は今年度から一気に増加してくると危惧しています。
(次号につづく)
http://www.aso-group.jp/message/message.pdf