麻生グループ
「麻生泰のメッセージ」を更新しました
DX時代にアナログ文化の強みを活かす (2)
前回、アナログ文化の大切さについて触れていますが少々続けます。
このマナーというか思いやりの文化は大きな競争力、日本人の「利他の精神」が直接的あるいは間接的に築き上げた素晴らしい常識、財産、競争力だと思います。
インバウンドで外国人の観光客が大きく伸びています。経済面での相対的な競争の伸びがアジア諸国にも劣っていく中で、この観光ブームは大きな可能性を持った産業というか収益事業に拡大を続けるのではないかと予想します。
アナログの強みの一つは、この国は安心だ、悪い事はしない、言葉は通じないが騙される事はない、という私達にとっては当たり前にごまかさない、思いやりある対応を精一杯してあげる、高齢者を大事に扱う、といった常識レベルが非常に高い国民性を外国人からは賞賛されることです。前号で書いたように、深夜に婦人方が一人で歩いている、誘拐事件は近年起こらずに通学、通園している、学校での乱射事件等全く想像も出来ないことがアメリカでは年間に20件以上も起こっています。また、麻薬事件も他国に比べて著しく少ないと思います。
こうした安定感、安心感のある日本。風光明媚で魅力ある都市も多く存在します。円安も手伝って来日客も増えていますが、和食文化で食事は美味しく、京都や奈良、鎌倉ばかりではなく、北海道も長崎も、今やローカルの街にも外国人の姿を見ます。今後もこの傾向は数年間減る事はないのではないかと思います。なぜなら、安心、安全、そして先述のような魅力、発見、興奮があるからです。
このアナログ文化の強みをもっとサービス産業に活用していく事が、ひいては更なるビジネス競争力強化に活用されていく事であるのに…。この思いはこのコラムで度々触れているように公的病院、公立病院に対しても活用することで、従業員満足度の向上、それが患者満足度に繋がり、最終的に経営改善に結び付いていくと思います。診療報酬は国庫が非常に資金不足の中ですので引き上げる力がなくなってきている。反面コストは、人件費、診療材料費、電気代が高騰しているため病院経営は益々先行き難しい中で、すでに民間病院の閉院が始まっています。まごころ医療を実践し評価されている開業医や民間病院が閉鎖されていく状況の中で、税金で赤字が補填される病院が残り、更にその補助金の総額は現在の年間約1兆円から益々増え続け2兆円に向かう流れが始まる事は本当に残念です。
魅力ある病院職場づくりに日本の強みであるアナログ文化を大いに活用され、リーダー方が魅力ある職場づくりに向けて持ち前の知能とエネルギーを投入していっていただきたいものです。
http://www.aso-group.jp/message/message.pdf