麻生グループ
「麻生泰のメッセージ」を更新しました
神様に一番近い仕事 ��
前回の患者としての思い出をもう一つ。それは看護師の影響力です。
フランスの病院に1か月いる間、言葉は通じず、食事もフランス料理とはいえ決して美味しくはなかったのですが、ただ、昼も夜もワインのミニボトルが付いているのは少々驚きました。日本に居た頃は、けがを早く治すなら、お酒は飲むなと言われていましたので。
担当なのか出入りしてくれる看護師は4人くらい。私は勝手にニックネームを付けていました。眼鏡をかけていて真面目な“ヤギ先生”。私のお気に入りのアニークという看護師には私は勝手に“ブリジッド”と思って対応しました。ブリジッドバルドーが好きだったからです。ほかの二人も良い看護師で実に明るく対応し続けてくれました。
食事はそれほど美味しくはないですが、患者の、しかも自分が起こした事故でこれだけ多くの人に迷惑をかけているのだからと、料理を全部平らげて、早い回復に結び付けることこそ自分がすべき数少ない仕事と思い、懸命にすべての食事を平らげていきました。驚くことにこの1カ月間の昼と夜のスープは全く同じものでした。栄養素は非常に高いのでしょうが味は今一つです。
私はブリジッドが来ると嬉しくなり、頑張らねばと思い、私のフランス語はダメだし彼女の英語はあまり上手ではないので、会話はほとんど通じませんでしたが、彼女を喜ばせたいという気にさせる、魅力、元気を与えてくれました。言葉の問題ではなく、温かさ、思いやり、看護技術の点がやはり大きなポイントで、彼女が点滴の注射をする際にはあの太い針が私の細い血管にあまり痛みを与えずに入るのです。私も安心して大丈夫と思っている信頼関係の影響だなと思っていました。
看護師を始め医療スタッフは3つの「H」が大事だと思います。
Head(頭脳の良さ)、Hand(腕の良さ)、Heart(まごころの大切さ)です。
特にハートは大事なポイントです。仕事で疲れているでしょうし、前の患者で嫌な思いや辛い仕事後という時もあるでしょうが、全く直前の大変さを顔に出すことなく、元気に明るく入室してきて「いかがですか?」という声掛けで患者は嬉しくなったり、逆に何やら自分の気持ちが盛り上がらなくなったりするものです。医療スタッフの明るさ、マナーの良さは患者さんには非常に大きな影響を与えているのです。
神様に一番近いプロの仕事の一つである医療職の皆さんの3つのHを磨いて、明るさ、そして更なる成長を大いに期待しています。
http://www.aso-group.jp/message/message.php
